甘さ控えめ あとを引く粋な味「小桜のかりんとう」
小桜の歩み
浅草の観音様の裏手、観音裏と呼ばれる辺りは、かつては料亭が並ぶ華やかな一角でした。
小桜のかりんとうは明治初めから暖簾を構える老舗料亭福し満の手土産として約70年前から始まりました。
当初は「福し満」だけの手土産でしたが、近くの料亭さんからもご用命いただき、その後、口コミで輪が拡がり、平成元年に料亭の隣にかりんとう専門店「小桜」が誕生しました。
看板商品の「ゆめじ」は、太くて黒いと言うかりんとうのイメージを変え、小枝のような細身で緑、橙、黄色の三色で色鮮やか、そして甘さ控えめであとを引く粋な風味に仕上げました。
パッケージはなす紺の地に桜の花びらが描かれた小粋なデザインを女将が考案しました。
粋なかりんとうとして多くのお客様にご贔屓にしていただき、お陰様で東京を代表する店のひとつと言っていただけるまでになりました。
かりんとうとの出会い
料亭福し満の女将はお客様に手土産として和菓子をお渡ししていましたが、お客様が持ち帰ってその日のうちに手を付けられないことが多いことから、いつも日持ちのことを心配してました。
日持ちのするお土産をお持ちいただきたいと思い、何件もの工場を訪ね歩き、かりんとうの神様と言われるほどの職人さんに出会ったのです。
料亭の手土産に
当時のかりんとうは太く黒砂糖の塊のような無骨なかりんとうが主流でした。
そこで料亭の手土産としても喜んでいただける様に細身で甘さ控えめの粋なかりんとうに作り変えました。
熟練の職人と料亭の女将の意気込みによる相乗効果が生まれ、今までとは全く違う斬新なかりんとうが誕生しました。
華奢な細身の姿形が竹久夢二が描く美人画のイメージと重なることから「ゆめじ」と名付けました。